砥粒で材料を砕く超音波加工は、工具の超音波振動(工具長手方向の振動)と砥粒及び加工圧を併用して微量ずつ破砕していく加工法です。
すなわち加工形状と雄雌対称の断面形状を持つ工具に、振動周波数を16〜25kHz(16,000〜25,000回/秒)、振幅振動を30ミクロン以上の振動を与えシリコンカーバイト、ボロンカーバイトなどの砥粒を懸濁液状で注ぎながら適当な加工圧で工具を加工物に押し付けます。
工具と加工物の間に入った砥粒粒子は、工具先端で大きな衝撃を受け、その衝撃で加工物を少しずつ砕いていきます。1回の衝撃で破砕される量はごくわずかですが、前記のように繰り返し回数が多いので実用上十分な速さと精度で工具先端面形状が加工物に彫り込まれていきます。