超音波加工とは

超音波加工とは

砥粒で材料を砕く超音波加工は、工具の超音波振動(工具長手方向の振動)と砥粒及び加工圧を併用して微量ずつ破砕していく加工法です。

すなわち加工形状と雄雌対称の断面形状を持つ工具に、振動周波数を16〜25kHz(16,000〜25,000回/秒)、振幅振動を30ミクロン以上の振動を与えシリコンカーバイト、ボロンカーバイトなどの砥粒を懸濁液状で注ぎながら適当な加工圧で工具を加工物に押し付けます。

工具と加工物の間に入った砥粒粒子は、工具先端で大きな衝撃を受け、その衝撃で加工物を少しずつ砕いていきます。1回の衝撃で破砕される量はごくわずかですが、前記のように繰り返し回数が多いので実用上十分な速さと精度で工具先端面形状が加工物に彫り込まれていきます。

加工原理

■発振器 / 16〜25kHzの高周波電気エネルギーを振動子に供給する。

■振動子 / 発振器によって供給される電気エネルギーを同じ周波数の機械的振動に変える。

■コーン / 振動子で発生した機械的振動の振幅を拡大し、振動姿態を整合する。

■ホーン / コーンの振動振幅を加工形状、面積に対応して、さらに拡大、整合して先端工具に伝える。

■工具 / 工具端面形状と雄、雌対応した形状を加工物に彫り込んでゆく。工具は消耗品である。

超音波加工の特徴

1.加工材料ガラス、石英硝子、シリコン、フェライト、カーボン、グラファイト、アルミナ、窒化けい素、炭化けい素、窒化ほう素、ルビー、サファイア各種宝石 ダイヤモンド等の硬脆材料。
2.加工内容円、角、異形の孔あけ、ザグリ、打ち抜き、切断、ミゾ加工、成型加工、彫刻。
3.多数個同時加工上下振動による破砕加工のため、複数個同時加工が出来ます。
例1:アルミナ基盤 50□ 0.5φ〜2.0φ
孔数100個を同時加工
例2:シリコンウェハー
150φ以内から1.8φの素子を600個以上打ち抜き
4.加工面カケ、バリ、クラックの発生が極めて少なく、且つ砥粒加工特有の平滑な加工面が得られます。また加工による変質層、加工歪が少ない。
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